引き戸、レールの修理をするときに知っておきたい3つのこと

日本の住まいにもドアが増えているが、引き戸も多い。引き戸はドアのように開ける際のスペースを必要とせず、ある程度の間口があればつけられるので、狭い空間でも設置ができる。

そのため一定のニーズがある。しかし、長く使っているとガタガタしてきたり、開けるのにちょっと苦労したり、戸自体が外れてしまい開かなくなるなどのトラブルも起きやすい。

開きにくくなった引き戸に困らないよう、早めの修理を心がけたい。まず修理をする前に引き戸についてもよく知っておくことが大切だ。

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引き戸の構造・レールと戸車の仕組み

引き戸の構造・レールと戸車の仕組み

私たちの住まいの中に必ずひとつはある引き戸。一昔前は襖や障子が主だったが、現在は少し構造が変わっている。

襖や障子のように敷居の上をただ動かして開けるのではなく、今の引き戸は敷居の上につけられたレールの上を走るように、戸車が取り付けられている構造がほとんどになっている。

襖や障子は、細い木の枠と桟に紙が貼られており、建具としては大変軽い。だから敷居の上を直接滑らせても問題なくスムーズに開閉できる。

高さも鴨居や長押の下、内法までとほぼ決まっているので1m72㎝ほどと現在の建具よりも低めに設定されていることも、動きやすい要因の一つだ。

現在の住宅では生活様式や使い勝手から、襖や障子よりもフラッシュ戸や框戸などを引き戸として使うことが多くなっている。フラッシュ戸や框戸は、襖や障子よりも重く、高さも2m以上の高いものが多い。スライドさせるときに力が入ることになってしまう。

そこでレールと戸車が使われることになる。

敷居側に取り付けられるレールに沿って、建具の下についた戸車が動き、軽い力で開閉することが可能になるのだ。

引き戸のレール・戸車には場所や用途に応じて、いろいろな種類がある。

 

レールの種類 (V型/Y型/T型/丸型/平型)

レールの種類 (V型/Y型/T型/丸型/平型)

引き戸のレール・敷居には大別して以下の5タイプがある。それぞれレールにあった車輪の形状の戸車が対応する。

V型・・・戸車の車輪部分とレールの断面がV字型になっているのが特徴。レール部分を床などに埋め込んで設置する埋め込み型。レールが床に埋め込まれているので、フラットで出っ張っている部分がなく、足がひっかかりにくい。く、同時にレールに物が当たって歪むことも起きにくい。

室内の引き戸に最もよく使われるタイプだ。

Y型・・・レールの断面がY字型になっている。Yの縦棒部分があることで脱輪効果があり、V型よりも戸車が外れにくい。V型同様、埋め込み型なので引っかかりや歪みが出にくい。戸車の車輪形状もY型レールに合うものを使う。

T型・・・V、Y型同様に埋め込み型だが、脱輪防止機構の部分のみが埋め込まれている。戸車の車輪部分は床の上の部分を走るので、埋め込む深さが浅くても設置できる。

丸型・・・昔からよく使われている凸型のタイプ。断面が半円形のレールを使う。床板や敷居の上に、レールそのものを乗せて固定する。レール本体分が床よりでっぱる形になる。戸車の車輪断面は真ん中が凹んだ円弧を描いていることになる。最近は上記の3つのレールのように埋め込み型が増えているため、丸型はあまり使われなくなっている。

平型・・・敷居の上を直に走るタイプでレールはない。襖や障子など昔からの日本の引き戸はこのタイプが多い。戸車を使うと揺れやすい。軽い建具に対応するもので、重量のある建具では開けにくく、敷居や建具本体を削ることになるため、避けたほうがいい。

 

戸車の種類 (固定/調整/エアタイト/2連式)

戸車の種類 (固定/調整/エアタイト/2連式)

引き戸、サッシについている戸車には、車輪の形状の他にも、大別して以下の4つの種類がある。

固定戸車・・・ごく一般的な上下の昇降調整機能のない戸車。組み合わせるレールの形によって、車輪断面の形状が違う。建具下を戸車部分のみ掘り込み、両脇の羽の部分をビスで止める。シンプルな仕組みなのでサイズさえ合えばDIYでの交換も難しくない。

調整戸車・・・高さ調整機能が付いており、調整用のビスを回すことで車輪の位置を上下に昇降させることができる戸車。

室内の引き戸やサッシにもよく使われる。

サッシの場合、片側に固定戸車を使い、もう片方に調整戸車を使うことが一般的。調整戸車を使うことで、建具の枠やサッシの歪みをある程度吸収することが可能。

エアタイト戸車 主にサッシに使われ、サッシと外枠を密着させることができる戸車。気密性能を高める戸車で、風の強い地域などではサッシが風で動いてしまわないようにするために使われる。気密性や断熱性が高くなるため、最新のサッシなどで採用されている。

2連式戸車   一つの戸車に、車輪が2つついているもの。扉が重いときなど、戸車が左右にひとつずつでは荷重に耐えきれないケースで、使われることが多い。戸車が多いためスムーズな動きができる。

 

引き戸の普段の対策

紹介してきた通り、現在の引き戸のレールは埋め込み型のものが主流だ。床に溝ができている状態なので、どうしても埃や糸くずなどがたまりやすい。日頃から意識して取り除こう。

レールの溝の中で固まった埃類は、竹串やほうきでかき出し、掃除機などで取り除く。

埃や糸くずなどのゴミを戸車が巻き込んで動きが悪くなることもある。戸車の動きが悪くなり、引き戸の動きがスムーズにいかなくなったら、まずは戸車の掃除をしてみるといいだろう。

引き戸を外して、戸車部分を確認し、ゴミがあれば取り除く。戸車の車輪が磨耗していたり、戸車を留めるビスが緩んでいたりしたら、交換を検討しよう。

 

開きにくい、閉まりにくいを放置するとどうなるか

戸車の滑りが悪くなったり、レールがダメになってきたりすると、開閉時にガタガタしたり、開けにくく閉まりにくい状態になったりする。

戸車には寿命があり約3〜4年ほど。レールは、引き戸のある場所によっては変わるが、外に近いところにあったり、雨がかかったり、玄関の三和土など水を撒くようなところにあると錆びやすい。それが開閉しにくい状態に繋がる。

また、物をぶつけたり落としたりしてレールがゆがむこともある。

ガタガタしている、開けにくい、を無理して開け閉めしていると、いつか引き戸が完全に開かなくなる、閉まらなくなるという可能性も出てくる。

また、引き戸の動きが悪いところを無理に動かすことで、床に傷をつけてしまうこともあり、実際には関係のないところまで修禅しなければならない。そうなると新しい建具を取り付ける必要がある場合もあるだろう。

また、それだけではなく、完全に閉まらないとカギがかけられなくなったりすることも。これは防犯上も問題だ。

 

引き戸のチェックとDIYでの修理方法

引き戸のチェックとDIYでの修理方法

ここでは、引き戸の状態のチェックと修理方法を紹介しておこう。

①引き戸の開閉が重く感じられたら

戸を外し、まずは戸車にゴミがたまっていないかチェックをする。引き戸を外して戸車のごみを確認する。し、ゴミが詰まっている時は、ピンセットなどできれいに取り除く。糸くずや髪が巻き込まれていることもあるので、それも取り除く。

②戸車に潤滑油を差す

車輪部分の摩耗などの異常がない場合は、戸車に潤滑油を差せば軽くなる。潤滑油をさす場合は、必ず掃除の後にすること。埃がついたまま潤滑油をさすと、かえって埃を固めてしまうことになるからだ。

動かすと擦れるような音がする時

動かすと擦れるような音がする時は、戸車が沈み過ぎなので高さの調節が必要だ。戸車が摩耗していたら、新しいものと交換する。

調整戸車が付いている場合は、調整用のビスをドライバーで少しずつ回し、戸車を上下させる。引き戸を動かし動きを確認しながら、調整していく。少しずつ回すことが一番のコツだ。

④レールの点検

レールの曲がりによって走りが悪くなっていることもあるので、レールの点検も行う。曲がりや歪みがあれば、交換を検討する。

特に丸レールは凸型のため、曲がりや凹みなどがある場合が多いはずだ。止めているビスが外れて、レールが遊んでしまうこともあるので、チェックしておきたい。

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襖などの敷居の修理は?

襖などの敷居の修理は?

襖や障子の敷居も滑りが悪くなる場合がある。敷居も建具も木製なので、使ううちに少しずつ磨耗する。そうすると摩擦が大きくなり滑りが悪くなるのだ。

最も簡単な方法は、敷居の溝の部分に蝋を塗ることだ。敷居の溝全体に薄く塗るだけだ。ろうそくを擦り付けて塗ってもいいし、敷居専用の蝋も販売されている。

蝋を塗る方法は定期的に塗りなおす必要がある。それが手間な場合、敷居の滑りを良くするテープを敷居の溝の部分に貼り付けるといいだろう。溝の幅を確認して合うものを使いたい。

間口が広い場合などは、鴨居が下がってしまうこともある。間口の中央部分が主に下がることが多いい。襖や障子など建具を削って対応することになる。これはできるだけ専門の業者に依頼した方がいい。スムーズに削る必要があるし、削りすぎは取り返しがつかない。

 

引き戸の不具合や故障の原因

紹介してきたように、引き戸の動きが悪くなるのは、いろいろな原因がある。戸車やレールなど金物部品の故障から、敷居や鴨居の不具合などは、引き戸周辺の修繕だ。

引き戸の部分を調整・修理をしても改善しない場合、建物そのものの歪みを検討する必要があるかもしれない。一カ所の建具だけでなく、複数の建具の不具合が調整できなければ、建物の歪みを疑ってもいいかもしれない。このような場合は迷わず専門の業者に相談しよう。

戸車、レールの交換は、DIYで修理することもできるが、却って建てつけが悪くなることがあるので注意が必要だ。自分の手で交換・修理を行う場合は、現在使っているものと同じタイプ・サイズの戸車やレールを選ぶこと。

特にサッシの戸車交換は、部品が細かく分かれており入手するのも大変だ。

同じものが手に入らないなどの場合は、専門の業者に修理を依頼することをおすすめしたい。

 

どこに修理を頼めばいいか。費用相場・料金は?

引き戸の修理は、どこに頼むのがいいのだろうか。最初に思い浮かぶのが工務店だ。工務店はだいたいどこの街にもあり、地域に密着した仕事をしていることが多い。

以前からなんとなく知っているし、地域に根ざしているので安心だ。家を建ててくれた工務店がわかれば、相談するといいだろう。

しかし、工務店によっては引き戸の修理など、小さな工事は建具屋などより専門性のある業者に下請けに出すこともあるだろう。そうなるとかえって割高な値段になることもある。工務店だから何でもできるわけではないので、頼む場合には見積もりを取るなど確認が必要だ。

もう一つの選択肢は、リペアを専門に行う業者に依頼することもできる。ドアの修理などの工事を日常的に行い、それについての豊富な知識と優れた技術を持っている。

そう考えると、リペアの専門業者の方が安心だ。特に最近は、扉やフローリングのリペアを専門に行うプロの業者がいるので、そちらに依頼した方が、仕上がりは断然きれいにできる。

依頼する際は、まず状況を説明し、修理したい箇所を実際に見に来てもらった方が良い。質問があったら、その時にいろいろとたずねる。その後に、なるべく詳細な見積をもらって検討する。見積の金額と作業の内容に納得できたら依頼することをおすすめしたい。

 

修理費用の相場・料金の目安

では具体的に、修理費用の目安を紹介しよう。

  • サッシの戸車交換  0.5〜1.8万円程度

サッシに使われている戸車によって異なる。固定戸車より2連式戸車の方が部品そのものの価格が高いので、料金も高めになる。

玄関引き戸の戸車交換 1.1万円〜

玄関引き戸は2枚のトビラにそれぞれ2個の戸車が付いているので、4個の戸車を交換する。

  • 木製建具のレール交換 0.5万円〜

一般的な間口180cm(1間)で、引き戸が2枚の場合は、2本のレールを交換する。

  • クローゼット引き戸の戸車とレール交換  2.0〜3.0万円

押入タイプのクローゼットの場合、2枚のトビラに2本のレールが標準。戸車4個も同時に交換する。

戸車はホームセンターなどで購入できるので、自分で交換したくなる部品だが、使用している引き戸に合うものとそうでないものがある。

交換作業は自体はそんなに難しいものではないが、交換する引き戸に合ったものを探すことが重要で、手間がかかる。戸車の種類などをしっかり把握していないと、合わない戸車もいくつも購入して無駄にしてしまうこともあるだろう。

戸車の交換や修理の費用を抑えるなら最初から業者に依頼した方が良い場合も多い。

 

まとめ

引き戸は、ずっと快適に使い続けられるわけではない。メンテナンスが必要だ。戸車にも寿命があり、レールも設置場所によってはサビなどの問題がある。

普段からレールは小まめに掃除し、また、できるだけ戸車にホコリやゴミが巻き込まないように手入れを心がけたい。戸車は、摩耗してきてスムーズに開閉できなくなったら交換する方が良い。

その際は、できるだけプロのリペア業者に依頼することをおすすめしたい。その方が結局、手間がなく満足度も高いと言える。

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【記事監修】  加賀原光太朗

7種類のリペア技法を駆使して5000件以上の実績を持つリペアの達人。クロス職人からリペア業界へ転身。現在は芸能人や大手建設会社など幅広い層の顧客を持ち、業界でもトップクラスのスキルを保有している。日々のリペア活動はこちらより。自らの手法確立後は厚生労働省認可企業として基金訓練を実施、教え子たちの多くがリペア技術を習得し自立。成功者を輩出している。リペア技術を学びたい方はこちらより

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【記事監修】  加賀原光太朗

7種類のリペア技法を駆使して5000件以上の実績を持つリペアの達人。クロス職人からリペア業界へ転身。現在は芸能人や大手建設会社など幅広い層の顧客を持ち、業界でもトップクラスのスキルを保有している。日々のリペア活動はこちらより。自らの手法確立後は厚生労働省認可企業として基金訓練を実施、教え子たちの多くがリペア技術を習得し自立。成功者を輩出している。リペア技術を学びたい方はこちらより