長年、愛用しているベッドに不具合が生じたらどのように修理すれば良いのだろうか。
ベッドに限らず家具の修理をプロに依頼する方は少ない、どちらかというと買い替えを検討される方が圧倒的に多いのが現状だ。
しかし、この記事に辿りついた方は、体に馴染んだ愛着あるベッドを修理し、大切に使用したいと考えていることだろう。
この記事を参考に、ベッドの不具合を解決し、また大切に使っていただきたいと思う。
ベッドにはどのようなトラブルがあるのか、またそのトラブルを修理するためにはどのような方法があるのかを徹底的に掘り下げで解説していく。
目次
ベッドを修理しなければいけないダメージとは

快適な眠りを提供してくれるベッドだが、想像以上に種類が多い。タイプ別で分けると
宮付きタイプ
パネルタイプ
背もたれタイプ
ヘッドレスタイプなどがある。
ベッドの構成する部材にもいくつか種類がある。ベッドの構造体であるフレームの他に
ベッドボード
引き出し
床板
フットボード
脚
マットレスなどだ。
この部材の中でダメージがあれば早く修理しなければならない最も重要な部材がフレームだ。そしてマットレスや身体を支える床板である。
ここでは、どのようなダメージを修理しなければいけないのかを解説させていただく。
ベッドフレームの傷・ひび・剥がれ・凹み
ベッドの構造体であるフレームには大きく分けて2種類の素材が使われている。木材と金属である。
木材のフレームにひびが入ったり凹みができたりすると安心して眠ることが難しくなる。また、傷や剥がれがあると眠っている間にケガをする場合もある。
金属のフレームに凹みが生じれば、その部分から歪んできたり、強度に問題がでたりするおそれもある。
ベッドの部材の中で最も肝要なものがフレームであるので、ダメージが出れば早めに修理することが望ましい。
床板の割れやきしみ
床板は、マットレスや身体を支える重要な部材である。合板・スノコ・ウッドスプリングなどが一般的で、高温多湿な日本ではスノコの人気が高い。近年では、身体の負担を軽減するウッドスプリングも注目を集めている。
その床板に割れがあったり、軋みの音が聞こえたりすれば快適に眠ることは難しい。特に割れがある場合は、すぐにでも修理・交換が必要である。スノコの割れなどを放置すると怪我の原因になりかねない。
床板は、木材を使用していることが多いので、マットレスを使用しているからと安心せず、定期的にチェックすることをお勧めする。
マットレスの劣化は交換を
マットレスは、身体を支える寝具なので、同じ体勢で寝ている人のマットレスほど変形し劣化が早い。枕の下のスプリングが弱っていたり、腰回り部分に凹みがあったりしたらかなり劣化していると判断できる。
マットレスは、破れなどなら修理できるが、スプリングの劣化などは修理することが難しい。マットレスが劣化しているなら、ベッドのサイズに合っていて、機能が自分に合っているものを選び交換すると良いだろう。
ベッドをDIY修理する方法とグッズ

ベッドを構成する主な素材は、木と合皮と金属である。DIYする場合は、この素材に応じたDIYグッズがあれば効率よくキレイに仕上げることが可能だ。
近年のDIYグッズは、進化していて使い慣れればプロ並の仕上がりになるものが増えてきている。しかし、無理だと思われるダメージについては、修理せずプロに任せることを強くお勧めする。理由は、ダメージの拡散とDIYによって手間が増える可能性が高いからだ。ダメージが深すぎるとベッドの買い替えや部材の交換などとなり余計な出費が嵩むことになるので賢明な判断が重要だ。
木材を修理する場合

https://amzn.to/2lRvZY9
ベッドに使わる素材の中で最も使用されているのが木材である。木材のダメージは、傷・凹み・抉れなどが大部分を占めるので今回はイージーリペアキットを紹介する。
このセットは、パテを伝熱コテで溶かして修理するので、ベッドに限らず家具や建具などの木製品なら同様に修理することが可能だ。
使い方
- 修理箇所のバリヤ汚れを取り除く
- 修理箇所のカラーに近いスティックを選ぶ
- ホットナイフでスティックを溶かし補修箇所に埋め込む
- 色が合わない場合は複数のスティックを混ぜ合わせる
- 硬化を待つ(約15秒)
- ゴシゴシスレーパーのギザギザ面で表面を平らにする
- ゴシゴシスレーパーの先端でさらに平らにして完成
硬化後は、着色したり木目を書いたりすれば、修理箇所がまったくわからなくなるほど上手に仕上げることも可能だ。使い慣れるとプロ級の仕上がりをめざすこともできる。
ただし、割れやヒビに関してはプロに相談してほしい。特にフレームの割れやヒビは、ベッドの強度に強く関連するので安全にベッドを使うためにも早急に決断し実行してほしい。
合皮を修理する場合

https://amzn.to/2mD4mlU
合成皮革は、木のフレームなどの表面に使用されていて、高級感と上品な質感が人気を呼んでいる。
本皮も使われることがあるが、ほとんど特注品のみである。理由は水分だ。合皮は、ポリウレタンや塩化ビニルなどでできていて耐水性もあるが、本皮は吸水するので腐食やカビの発生などで劣化が早くなる。そのことからベッドに向いた素材とは言えず市販品が少ないので特注品となっている。
合皮の場合は、引っかき傷や裂傷が主なダメージだ。また、経年劣化や摩擦による剥がれもある。
そこでおすすめするのが貼るレザーだ。

https://amzn.to/2mD4mlU
単純に貼るだけなので誰にでも修理が可能だ。
厚さが0.9ミリと薄いのであまり違和感なく仕上げることができる。合皮のダメージは浅いうちに修理しておかなければ、気付かない間に広がっていることがあるので、早めの修理をお勧めする。
金属を修理する場合

https://amzn.to/2mzASWb
金属もベッドフレームで多く使用されている。またアンティークなベッドの装飾に使用されているケースもがあるが稀なケースである。
ベッドにおける金属のダメージは塗装の剥がれや傷・凹みが多い。その中で、早急に修理しなければいけないのが凹みだ。理由はベッドの強度に関係しているからだ。フレームで凹んでいる箇所があれば負荷が均等にならない。凹んでいる箇所に負荷が大きくかかれば危険である。
画像は、金属の凹みを修理するリフターのセットだ。車や家電の凹み修理に使われているがベッドにも応用できる。
作業方法
- 清潔な布で損傷の表面をキレイにする
- チェックラインボードで凹みの位置をチェックする
- グルースティックをグルーガンの中にセットする
- タブの先端にホットボンドを塗る
- タブの先端を凹みの中央に貼り付けて5分に乾燥
- タブの後端をデントリペアツールに差し込む
- タブを徐々に引っ張る
- 平らになったらポンという音と共にタブがホットボンドから剥がれる
- 表面をきれいにすれば完了
グルースティックの予熱には約10分かかるので注意が必要だ。このセットで全ての凹みが修理できるわけではなく、大きすぎたり角度が急だったりすると効果がない場合もある。
このセットで修理ができなかった場合は、DIYを諦めてプロに相談することを強くお勧めする。再度記載するが、フレームの凹みは危険である。
床板の修理・交換方法

https://amzn.to/2ozTmXh
マットレスの下の床板は、ほとんどが木材でできている。スノコ・合板・ウッドスプリングが代表的な床板である。合板には、クッション性の良い布を貼り付けているものが多い。
床板は、フレームに続いて大事な部材であり、快適な睡眠をえるためにもダメージがあればすぐに修理することをお勧めする。
床板をDIYで補強修理する方法
スノコ・ウッドスプリング
スノコやウッドスプリングは、通気性が優れていてマットレスに溜まりがちな湿気を取り除くのでカビの繁殖を抑えることができる。日本の気候にあった床板ともいえる。
しかし、強度に不安を感じることもあるので、スノコやウッドスプリングの板が割れたりひび割れたりしないようにDIYで補強修理すると安全である。
方法は、スノコやウッドスプリングの根太を増やすことだ。天板は根太に張り付けられているので、根太の間隔を狭くすれば強度があがる。
長さを測って、根太に適正な木材をホームセンターなどで購入し、打ち付けるだけで強度は大幅に上がりマットレスや人間の荷重への耐久性が向上する。
ただし、ウッドスプリングの場合はスプリング機能に支障をきたすことがないように工夫する必要があるので、難しい場合は補強修理しないほうが無難かもしれない。
合板
合板の場合は、合板天板が床板フレームと根太に張り付けられている。根太の数が少ないと強度は低いので知らない間に合板天板にひび割れなどができて、マットレスの下から軋み音が聞こえたり、ひび割れ部分だけ沈んだりする。
事前にDIYで補強修理すれば、このようなダメージをある程度未然に防ぐことができる。
方法は、スノコやウッドスプリング同様に根太を増やすことである。サイズを測り、ホームセンターなどで適切な角材を購入しネジや釘で打ち付けるだけで強度があがる。
ただし、合板の場合はスノコなどよりも湿気を溜めやすいので、腐食に対する加工などが施されている木材を購入するか、DIYで腐食防止加工を施すことをお勧めする。
床板だけを買い替え交換する方法
床板が割れたり、ふかふかになったりすれば買い替えるしか方法はない。購入した家具店に依頼するか同サイズのものをネット通販などで購入して付け替えると安心して眠れる。
もし、家具店で取り扱いがなく、ネットでもオーダーできないなら当サイトに相談されると良い、リペア職人は家具の修理もお手の物である。
難しい修理はプロにお任せ

今回は、ベッドに焦点を絞って記事を進めているが、ベッドも家具の1つである。修理を依頼するプロと言えば家具業者が挙げられる。
しかし、もう一つ家具の修理を任せられるプロがいる。それがリペア業者だ。リペアとは修復を意味する。リペア業者の技術力なら家具の修理も問題ないばかりか、高級な家具の修理ほどリペア業者に依頼する人が多いのも事実である。
家具業者による修理内容と価格相場
家具業者が行うベッド修理は、金具の取り付けや床板の修理・交換がメインだ。フレームの傷や凹みの修理も承る業者もあるがリペア業者などに下請けとして出す場合が多い。
家具の業者中には、自社製品のメンテナンスまで一貫して行っているところもあるが、他社製や高価なアンティークベッドなどはほとんど承らない。
ちなみに家具業者が行う自社製品の修理代金の相場だが、金具の取り付けで9000円~1万2000円、床板(スノコ)の修理で6000円~9000円程度である。出張料などは別請求である。
リペア業者による修理内容と価格相場

傷や凹みだけでなく欠損まで成形して修理できるのがリペア業者だ。金属フレームの凹みも修理可能である。
画像は、カウンターを間違って切り落としたものを修復したものだ。丸みの部分を見事に成形して切り落とした部分が復活している。
家具業者とリペア業者の違いは、家具業者は家具を作るのが主な仕事で、リペア業者は、修復のプロだということだ。
当サイトにも家具業者や建築業者からリペア依頼が多数ある。リペアの技術をもってすれば、どのようなベッドのトラブルも修復できる可能性が高いので、ベッドのダメージによる買い替えや家具業者への修理を考えているなら一度、当サイトの無料見積りを利用していただきたい。
無料見積りはこのページの一番下に用意させていただいている。
ちなみに、当サイトのリペアは、修理箇所1箇所につき技術料1万5千円~だ。出張料や修復に必要な材料費は別途請求となっている。
アンティークで高級なベッドほどリペア職人へ

画像のような中世の欧州を彷彿させるアンティークなベッドにダメージが生じたら、あなたならどうするだろうか。
フレームは金属と木材だと想像できるが、だれがどうやって修理してくれるか検討もつなかいのではないだろうか。
実は、このような希少なものほどリペアの出番である。リペア職人であれば、木材を始め金属やプラスチック・合成樹脂まで修理することが可能で、欠けた部分は成型することも難しくない。
欠けた部分まで成型できる技術があれば、どのようなアンティーク家具であっても修理することが可能だ。しかも、調色までできるので、アンティークな風合いを壊すことなく復元できる。

画像は、高級な広葉樹を使用したスピーカーの修理事例である。ツヤ感のある表面に大きな傷ができているのをリペア職人が修復したものだ。
左右の画像を見くらべると補修個所が全く分からなくなっている。リペア職人の技術にかかればこのようにアンティークで高級な家具であっても完全に修復することが可能である。このことから判るように、大切で長く愛用したいものであればある程、リペアが役に立つということだ。
アンティーク家具については、当サイトの記事で詳しく解説しているものがあるので、アンティークが趣味の方や修理を考えている方は、是非ご一読願いたい。
アンティーク家具の修理方法とメンテナンス法を解説!
https://repairspace.jp/antique-furniture-repair
優秀なリペア業者を選ぶ方法

ベッドの修復もリペアなら難しくないことは、ご理解いただけたはずだ。ここで、肝要なのは、リペア業者に依頼するならできるだけ優秀な職人に修復を依頼するということである。
リペア職人も千差万別で、得意の分野も分かれている。もちろん、オールマイティーなマイスターもいる。ここでは、優秀なリペア業者を選ぶ方法をお伝えする。
- 技術力があるかをホームページの施工事例で確認する
- 無料見積もりを利用して適正な金額が提示されているか試す
- 自宅までの距離が近いかを知る
- 再修理や保証体制が整っているかを確認する
このような内容をしっかり確認すれば、おおよその検討はつくはずである。この中で、安い見積りを出してくる業者には注意が必要だ。
ネットの口コミなどで「最安なのに素晴らしい仕上がりでした」などと書き込まれているが、鵜呑みにしてはならない。プラチナをシルバーの価格で販売する貴金属店はないだろう。同様に、優秀なリペア職人は2流や3流の価格で仕事をしないことも明白である。
安物買いの銭失いならないように賢明な判断で優秀なリペア業者を選んでいただきたい。
家具も建具も住まいの補修はリペアにお任せ

家具も建具も、木材や金属・石など様々な素材を使っている。腕の良いリペア職人であれば様々な素材の修復ができる。
新しくて便利なものが次から次へと出てくる現代であるが、使い慣れた家具や建具などを大事に使い続けることは、大げさかも知れないが地球環境にとっても大事なことである。
買い替える前に、捨てる前にリペアという技術があることを思い出して相談していただきたい。直らないと判断した大切なものが、生まれ変わる可能性は大いにある。

7種類のリペア技法を駆使して5000件以上の実績を持つリペアの達人。クロス職人からリペア業界へ転身。現在は芸能人や大手建設会社など幅広い層の顧客を持ち、業界でもトップクラスのスキルを保有している。日々のリペア活動はこちらより。自らの手法確立後は厚生労働省認可企業として基金訓練を実施、教え子たちの多くがリペア技術を習得し自立。成功者を輩出している。リペア技術を学びたい方はこちらより
コメントを残す